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飛び込んできた強い光に目が眩み、焼けてボロボロになった革のシートによりかかる。錆の浮いた車内が徐々に見えるようになると、窓の外は一面黄金色で、輝く海を掻き分けて走る海上鉄道しおかぜ2号は、海の香りでぼくの前髪をくすぐりながら、いくつかの小包とぼくをゆっくりと夜へと運ぶのであった。
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17年目の秋
「そう、子供は純粋よ。純粋だから残酷なの」きっぱり言うと、彼女はポットに手をかけた。「それを愚かという人もいるけどね、だからあの子達の魔法は強いのよ」ティーカップから湯気が立つ。彼女は溜め息をつく。「私たちってダメね。歳を取るほどしがらみばかりできて、優しくも冷酷にもなれないの」
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無題
僕はその転校生の娘が使っていた白いリコーダーがすごく気になってしまって、目に付くたびにじっと見つめてしまうようになった。数週間後のある日、放課後に教室にいてくれというメモを渡され、僕はその呼び出しに応じたのであった。いい機会だから、僕もリコーダーのことを色々と訊こうと思ったのだ。
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無題
今は艶を失った木の床に夕日が差し、僕の影が伸びる。黒板には多くのメッセージが書かれている。教壇に上って、掠れかけた「さよならじゃない、また会おう」という文をそっと撫でる。僕の字だ。僕らの卒業と同時に休校に入ったこの小学校は、正式に廃校が決定し、明日取り壊されることになっている。
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緑色のチーズ
僕は土地の権利書と、宇宙船の打ち上げクルーから受け取ったお守りを手に月面に降り立った。夜が明ける。僕と宇宙船に日の光が当たる。そこにあったのは、僕が土地を買うずっと前に来て、人間と行動を共にし、帰って行く宇宙船を見上げた一台の月面バギーだった。僕はそっとお守りを鍵穴に差し込んだ。
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無題
イカロスは溶けていく蝋の翼を見ながら、それでも飛ぶのを諦めなかった。蒸発する蝋は燃料となり彼の背中を押し、高温にさらされた翼は弾丸のように、そして刃のように鋭さを増していき、やがて大気圏を抜けると吹き付けて来るプラズマに彼の体を乗せた。振り返ると、地球に月が影を落としていた。
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一度誤解をした者は、誤解したことの正当性を探すことに必死になる。